信州の春は、里に桜が舞い始めても、山の上にはまだひんやりとした清々しい空気が居座っている。
先週は、善五郎の滝で春のしぶきを浴びた。あの轟音と飛沫が、まだ耳に残っている。
4月18日土曜日。僕は再び乗鞍高原へ車を走らせた。目的地は番所大滝(ばんどころおおたき)。空は低い雲に覆われ、気温は15度。ひんやりとした空気が、身体を動かすにはちょうどいい。

「善五郎の滝」、「三本滝(さんぼんだき)」とともに「乗鞍三滝」の一つである、番所大滝は落差40メートル、幅11メートルというダイナミックなスケールを誇る。

駐車場の入り口には、松本市特別名勝「番所大滝」の立派な看板があり、駐車場の一角には小屋風のトイレがある。車はざっと10台程度は止めらる。駐車料金は小型200円、大型500円。

車をとめ、入り口の案内板眺める。番所大滝と千間淵(せんげんぶち)へと続く道の二つの分岐点。

まずは案内板に従って番所大滝の展望台に向かうことにした。所要時間は下り10分、上り15分とある。

散策道はすぐに急な階段に変わり、谷底へと続いている。

日陰の階段には「落枝注意」の黄色い警告が、そして冬季は封鎖されるこの坂を一歩一歩、靴の裏で感触を確かめながら、慎重に下る。

坂を下るにつれ、それまで静かだった森に地響きのような轟音が響き渡り、近づくにつれて空気の振動が肌に伝わってきた。

5分ほどで東屋が現れる「展望台」。

東屋のテーブルと椅子に腰を下ろす。曇り空は、水の音をより深く響かせる。目の前の番所大滝。水量は豪快、凄まじいの一言だ。耳を打つのは、ただひたすらに重厚な水の咆哮。


来た道を登り、入り口の分岐点へと戻る。今度はもう一方の「千間淵」方面へと足を向けた。

途中の「滝上展望台」は、まだ時期が早いのか封鎖されていたので滝を上から覗き込むことはできなかったのは残念。

僕はそのまま、整備された沢沿いの道を歩き続けた。

やがて現れたのは、大滝の荒々しさとは対照的な、清らかな流れを見せる番所小滝。
岩をすり抜け、白く泡立ちながら流れる水の音は、どこまでも優しく耳に届く。

小滝を眺め、ゆっくりと時間をかけて駐車場まで戻る。
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