7月の終わり。身体も心も溶けそうになるくらい暑い日が続おり、ただただボーとしておりました。あぁ、何もやる気がしない…。ソファの上でゴロゴロとスマホを眺めて暮らしていました。
来る日も来る日も息をひそめている生活が続き、さすがに怠惰で退屈な毎日に少しウンザリし始めた頃、ある涼しげな沢の投稿をTwitterで発見。埼玉の飯能にある山は何やら沢沿いの低山ハイクができ、さらに麓には下山後に汗を流せる温泉施設がありとの嬉しい情報。
すぐさまここに行こう! ゴロゴロ、ボーっとしていた男にはちょうどいいリハビリだ! と山行きを決定。下調べの情報集めを開始。
棒ノ折山(棒ノ峰)とは
早速調べたところ、その山は棒ノ折山。棒ノ嶺(ぼうのれい)という別名を持つ、埼玉・飯能と奥多摩の境にある標高969mの山。沢歩きあり、ゴルジュ、鎖場など低山ながらポイントが盛り沢山らしい。アクセスは初級・中級・上級とコースによって異なるとの情報。今回は初級の棒ノ折山ピストンコース。最寄りの駅は西武線の飯能駅からバスで45分「さわらびの湯」のバス停。歩行距離は約8km、高低差は約900m。漫画「ヤマノススメ」にも登場する初心者でも楽しめる山とのこと。麓には下山後の休憩とリフレッシュには最適の「さわらびの湯」という日帰り温泉施設がある。さわらびの湯の第3駐車場は無料で駐車が可能。
《06:40》さわらびの湯出発
その日も朝からしっかりとした夏でした。6時過ぎにはすでに25度を越え、予報では最高気温が34度になるという。水1Lとコンビニで売っていた冷凍麦茶をバッグに入れ、いざ出発。まずは登山口にある名栗湖へ。出発地点となるさわらびの湯・第3駐車場を出て名栗湖まで15分ほど歩きます。
「さわらびの湯」バス停前の道を左折して、道なりにテクテクと10分ほど歩いていると急に視界が開けてきて、ドーンと名栗湖にある有馬ダムの水門が見えます。この水門上の道にはツーリングの休憩なのか、20人くらいのバイカーがおり、思い思いの時間を過ごしていました。
《07:10》白谷沢登山口
水門を渡り、名栗湖の湖畔を周回する道をさらに15分ほど歩くと白谷沢登山口に到着します。登山口脇には5台くらい停められる駐車場がありました。前後に1組ずつ登山のパーティがいたので距離感をもってスタート。
朝の木漏れ日が気持ちいい道を歩いていく。今日の調子は良さそうだ。歩き出して10分くらいで沢の流れの音が聞こえきてくると少しワクワクしてきました。
《07:30》白谷沢ゴルジュ
今回の大きな目的は白谷沢の沢登り。両側は切り立った壁。その間を流れる沢を歩いて行きます。その日は水量がそこまで多くなかったのでジャバジャバとミドルカットのトレッキングシューズでも沢の流れを選んで進めました。狭い渓谷なので少しでも水量が多ければ全く違う雰囲気だろうなぁと思いながら、苔むした岩で滑らないように慎重に進みます。この沢登りは防水性の高いシューズ必須です。
ゴルジュのクライマックスは急な岩の崖。危険な場所ではないのですが、とても狭い鎖場なので注意が必要です。
ゴルジュの鎖場を抜けると再び林道になります。真夏の林道には緑輝く草木で埋め尽くされています。
林道の後の階段を上がると車道とぶつかります。一旦、その車道を横切るとベンチがある小さなスペースがあります。ここから再び登山道を登っていきます。
《08:10》東屋跡
車道を挟んで再び登山道が待ち構えています。ここからは先ほどまでの涼しい沢登りから一転、急登の始まりです。ひたすら上りの階段と登り坂が続きます。
暑い中の登りは本当にキツく、汗が吹き出てきて、時折目に入りしみました。途中、巨大な岩茸石の分岐を山頂方面に進む。
《08:45》権次入峠(ごんじりとうげ)
急な登りの連続に、息も絶え絶え。なんとか権次入峠の休憩スポットまでやってきました。ここまで来れば山頂はもうすぐ。冷凍麦茶がいい感じに解凍されていたので飲み干しました。夏はやっぱり麦茶が一番!と実感する瞬間。
《09:00》棒ノ折山山頂
権次入峠から15分ほど木の根が浮き出た登り坂を一歩一歩上るとついに山頂に到着!
《09:20》遅い朝食、早い昼食
今回は米とレトルト牛丼を持ってきたので山頂のベンチに腰掛けてセッティング。ダイソーメスティンに一合分のお米と水を入れてコンロの火で炊きます。メスティンが沸騰してぐつぐつと言い始めます。10分ほど待って火から下ろしタオルに巻いて蒸らします。ついでにレトルト牛丼も一緒に巻いて温めます。
朝から何も食べていなかったのでお腹がペコペコです。
炊き上がったご飯にレトルト牛丼をかけるとタレのいい匂いが立ち上がってきました。しっかりと味付けされた少し甘いタレがよく染み込んだ肉とレトルトなのにシャキシャキとした食感の玉ねぎが美味しい。あっという間に完食です。ただ惜しいことに牛丼の具が少々足りない…ご飯の量と具のバランスが難しい。もうちょいあると嬉しかったかな。
そんなことを考えていると不意に体長2-3センチくらい、黒と黄色の昆虫が集まってきました。スズメバチの襲来!?かと緊張したのですがよく見るとスズメバチによく似た「アカウシアブ」でした。座っていたベンチを中心に3匹、4匹と増えてきたので急いで下山準備に取り掛かりました。
《09:55》下山開始
アブに追われるように山頂をあとにしました。下りルートは岩茸石の分岐を河又バス停方面に進みました。途中3か所ほど車道と交差するポイントがありますがほぼ一直線に尾根伝いをスタート地点のさわらびの湯に程近い地点まで下ります。
《11:20》下山
森を抜けると急に明るい世界が広がっていました。入間川の橋を渡っているときに遠くから子供達の川遊びの声が響いていました。汗だくだったので思わず飛び込みたくなる衝動を抑えて、一路「さわらびの湯」に停めている車へ。
《11:40》さわらびの湯
車に戻ると汚れた登山靴とソックスを脱ぎ捨て、サンダルに履き替えました。さらに事前に準備をしていた温泉セットをもって「さわらびの湯」へこの山行を締め括るべく急ぎました。
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