鍋割山行き
事前情報
丹沢の鍋割山には鍋割山荘があり、名物の鍋焼きうどんは数々のメディアで紹介されるほど有名とのこと。天気が良さそうなのでいっちょ行ってみっかと思い、事前に情報集取を開始(主にうどんについてですが・・・)。するとこの名物はお昼過ぎには売り切れになるほど人気のこと。
さらにボーッとTwitterを眺めていると、一瞬「ギョッ」と目が止まった。3月にはヤマビルが活動を始めているとの投稿を発見! 大山阿夫利神社登山で襲撃を受けて以来、「ヒル」という文字には過剰に反応してしまう体になってしまったのです。
《07:30》大倉駐車場
丹沢・大倉登山口には秦野戸川公園大倉駐車場(150台)があるのですが、営業時間が8:00-21:00。今回は少し早めに着いてしまったのですぐ近くの24時間営業の大倉駐車場に駐車(当日最大800円)。
《07:55》大倉駐車場出発
駐車場で登山靴に履き替え、装備を整えて出発(一応軽アイゼンも持っていくことに)。大倉から⑤鍋割山陵ルートを通って鍋割山へ行きます。
大倉駐車場から歩いて1分足らずの大倉バス停。今日は天気がいいので数多くの登山者が準備をしています。ここで大倉尾根からの塔ノ岳方面と鍋割山方面にルートが別れます。バス停前の「とうふ工房三河屋」の角にある標識を指示通り鍋割山方面へ。その日は登山者の9:1くらいの割合で大多数の方は塔ノ岳方面に向かっていました。
豆腐屋さんからしばらくはのんびりと田園風景の中を歩きます。15分くらいストレッチしながら歩いていると、さっそく何組かの登山者が追い抜いていきます。多分3組くらいに追い抜かされたくらいで登山口入り口に到着。
《08:15》登山口
丹沢で問題になっているヤマビル。鹿に運ばれて年々生息地域を徐々に広げており、柵などで対策をとっている。鍋割山の登山道にも鹿除けのバリケードがありました。入り口は網になっておりそこを通り抜けます。
朝の気持ちいい日差しの中、杉の林をのんびりと歩きます。序盤はアップダウンも少ないので時折スキップなど自然と出てしまうほど。
《09:05》四十八瀬川沿い
1時間も林道を歩くと、川の音が聞こえてきます。帰宅して調べたところ鍋割山と塔ノ岳を水源にした四十八瀬川とのこと。この時は3月だったので水量がなく、川を渡る際は木の渡し板より川の飛び石を渡った方が安全そうだったので石を使って横切りました。グループで来ているパーティは嬉しそうに渡し板での写真を撮っているのを横目に、写真撮影の邪魔にならないようにそそくさと渡る。
《09:25》ミズヒ沢渡渉点の歩荷ボランティア
川沿いをさらに進んでいくと、少し開けた場所に人が集まっていました。ここにはペットボトルに入った水が置いてあります。山頂には水源がないので、体力のある登山者がボランティアで水を鍋割山荘に運んでもらっているようです。ペットボトルのサイズは4Lと2Lがありました。初めての鍋割山登山だったこともあり、2Lを一本だけザックの中に入れて出発。
のこり2.4km。水を背負ってミズヒ沢渡渉点の渡しを越えると急に景色が変わり、沢沿いの登り階段が目の前に立ちはだかります。
ひたすら続く階段に汗が止まらなくなります。序盤の林道スキップが嘘のよう。登っては止まり息を整え、また歩き出すを繰り返します。さらにそこまで重さは負担に感じないのですが、縦に入れた水のペットボトルがザックの中で左右にブレて登りにくい。時折それを直すためにザックを下ろす作業が面倒くさい。
《09:50》山頂まで1km
階段ゾーンがようやく終わり、かなり高度が上がってきました。空が近くなり視界も広く、山の木々も杉からブナ林に変わってきました。
《10:40》鍋割山頂到着
ついに山頂に到着! 疲れたー。ミズヒ沢渡渉点から登りの連続は気が遠くなるほどでした。そんな疲れも雲ひとつない山頂から眺めで一気に回復した気がします。頂上からは丹沢山・蛭ヶ岳、遠くに富士山が綺麗に見渡せます。この景色を見に来たんだと、感動で胸がいっぱいに。
日差しは暖かったので登山中にはあまり気にならなかったのですが、風が冷たい。5分もジッとしてると汗が冷えて寒さがキツくなってきました。その日は天気もよかったので山頂には多くの登山者がおり、そのほとんどの人が名物の鍋焼きうどんを求めていたのか、山荘前には長蛇の列ができていました。この寒さの中、あの長蛇の列を並ぶほど堪え性ではないので、山では臨機応変ですよね、と自分に言い聞かせて鍋焼きうどんは諦めました。まあ、次回の楽しみができたとポジティブに考え、下から持ってきた水にペットボトルだけを山荘の入り口横に置いて山頂を後にします。
《10:55》景色が最高だった稜線歩き
山頂に着いた時はヘロヘロだったんですが、ちょっと休むまだ行ける気がするという欲が湧いてきました。道標を見ると塔ノ岳まで2.8kmか…。行ける、気がする。ということで急遽塔ノ岳まで足を伸ばすことに予定変更です。
鍋割山頂から塔ノ岳までは高低差の少ない稜線歩きなので気は楽です。ただ登ってきた道ではあまり無かった雪がこちら側ではかなり残っていたので滑らないように慎重に下ります。
雪が残る山頂からの下りがひと段落すると、いよいよ稜線歩きになります。時折吹く強風が暖まった体を冷やしてくれます。雲ひとつない景色の中、気分は最高潮。鍋割山ピストンで帰らなくてよかった〜。
《11:50》金冷やし
のんびりと気持ちのいい稜線を歩き、11:15小丸、11:40大丸を抜けて金冷しの分岐点に到着。ここは大倉尾根ルートとの合流地点。塔の岳まで残り600m。ここが1,370m地点で塔の岳山頂が1,490mなので残りの高低差がだいたい120m程度。かなり急登にビビります。
《12:10》塔ノ岳山頂到着
金冷しから塔の岳への急登はなんとか根性で登り切ったという感じでした。特に山頂直下の階段は本当にキツかった。一歩一歩足取り重く、息も絶え絶えでした。
ついに到着した山頂。鍋割山からの眺望も良かったのですが、約200m高い塔の岳からの眺めが素晴らしかった! 時折吹き上げる突風と一緒に疲れが吹っ飛びます。達成感でつい叫びたくなってしまいますが周りに迷惑なのでグッと堪えてます。
思っていた通り塔の岳山頂は人でいっぱいでした。山頂の尊仏山荘の売店も大勢のお客さんで賑わっていました。持参したあったかいお茶とコンビニのおにぎりを食べて下山します。
《12:10》塔ノ岳山頂出発
塔の岳からの下山ルートは大倉尾根(通称バカ尾根)を下っていきます。目の前には秦野の街や相模湾が一望できる下り坂が続き、テンポよく下りていきました。
13:05 花立山荘、13:35 堀山の家、13:50 駒止茶屋を順調に通過して高度を下げていきます。
《14:50》大倉バス停到着
大倉バス停のロータリーにあるレストハウスのトイレに行き、登山靴の汚れを落とし着替えます。今日のハイライトは鍋割山から塔の岳までの稜線歩きの気持ち良さでした。鍋割山までは大半の時間周りに人を感じながらの登山だったのですが、稜線歩きではほとんど人と合わずに、自然の中ハイキングを堪能しました。
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